お産を病氣のように扱う世の中
ドラマなどで見るお産の場面では、お母さんがとても苦しそうに出産します。
大正生まれの私の祖母は10人のこどもに恵まれましたが、お産はすべて自宅。押し入れでお産をしたそうです。産婆さんが取り上げたこともありましたが、祖父も取り上げたそうで、祖母の時代、お産は日常生活の一コマでした。
私も2人のこどもに恵まれ、 自宅での出産を応援してくださる助産師さんに、お産にまつわるたくさんのことを教わりました。
まず驚いたのが、病院では仰向けに寝てお産をしますが、その姿勢は自然に逆らっているということ。重力にわざわざ逆らう体勢で産んでいると。
赤ちゃんは「産み落とす」のが自然に適っているそうです。世間で一般的に行われていることが実は奇妙な慣習なのだと知りました。
次に驚いたのが、お産が近づくにつれ、身体が勝手にお産の準備を始めるということ。 お母さんの体内で、脳内モルヒネが分泌され、痛みを感じなくさせてくれるのだそうです。陣痛が始まり、あくびがたくさん出始めると、「準備しているんですよ」と教えてくれました。
お産では、助産師さんに「いきむな」と言われました。どうしても力が入ってしまい、産みたくなるのですが、我慢するように言われました。ドラマでは産婦さんは何度も苦しそうにいきみますが、実際の体験は逆でした。
(時代劇で産婆さんがきて取り上げるシーンがあり、お母さんは仰向けになって布団で寝ていますが、それは事実でないと思います。)
赤ちゃんは命がけで生まれてくる、とよく聞きますが、そのことについても疑問を感じます。 理由は、次男が生まれてきた時、膜に包まれて生まれてきたのですが、(「幸帽児」というそうです。) とても幸せそうに、満面の笑みで生まれてきたからです。
余談ですが、私は妊娠中、化学塩をできるだけ摂らないよう注意しました。
代わりに、自然の塩(煮詰めてない天日塩)を美味しいと感じる味付けにして、好きなだけ食べていました。 定期健診の尿検査ではタンパクが出ず、むくみもありませんでした。家系的に腎臓の弱い体質なので、ほんものの塩を摂ることがとても大切なことだと感心した次第です。(ちなみに羊水は海水と同じくらいの塩分があるそうです。)
助産師さんは、産む性としての女性の在り方を愛おしみ、最大限に応援してくれる、頼もしい存在です。多くの女性に、助産師さん、助産院のことを知っていただきたいと思います。