②食物への残留-除草剤
主成分がグリホサートの除草剤で「癌になった」とアメリカで10万件以上の裁判が起こされました。裁判では、原告勝訴が相次ぎ、被告の除草剤メーカーは、1兆円もの和解金を支払うことになりました。
EUなどではグリホサート除草剤は危険として規制していますが、日本では、今もホームセンターなどで購入でき、農家や消費者、また行政も、公的な場所、こどもたちの生活圏である学校や公園などに使用しています。
(この項目では、事実をお伝えすることを主眼とし、より安全で安心な生活を送るための参考としていただければ幸いです。)
グリホサート除草剤の諸問題
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①除草剤耐性による使用量の増加
遺伝子組み換え作物は除草剤耐性のものが多く、その栽培は、メーカー(世界的大企業数社)の指示する栽培方法を遵守し除草剤を使用することになっています。除草剤は、散布回数を重ねるごとに雑草に耐性がつき効果が薄くなることから、散布量が増加する傾向にあります。
②プレハーベスト(収穫前農薬)
穀物類を収穫する時、自然乾燥では時間がかかるため、アメリカやカナダでは大豆・小麦等に除草剤をかけ、立ち枯れさせ、短期間で大規模収穫しています。
③農薬の毒性試験における不備
国における毒性審査においては、様々な問題があると、以前より専門家の指摘がされてきました。そのうちの一つが、販売される農薬(製剤)について、混ぜられているいくつかの添加剤への安全性が未確認であるという点です。日本では農薬の安全性審査では主成分、例えば、「グリホサート」のみでよいため、製剤となった場合の、主成分と添加剤がどのように反応するかなどついては未確認のまま流通しています。
製剤(除草剤)を実験した専門家によると、主成分と添加剤が混ざった場合、主成分のみの場合と比べて毒性が非常に強くなったと報告されました。(草を枯らす効果についての実験、およびヒト細胞への実験/フランス・カーン大学 セラリーニ教授による : 出典「消費者リポート」2019.12.20号)
補足 :
・小麦は国内需要量の約9割弱を外国から輸入しています。2018~2022年度の年間平均流通量は、国内産小麦88万tに対し、外国産小麦470万t (※)
小麦の輸入割合は、アメリカ(38.6%)、カナダ(38.4%)、オーストラリア(22.9%)の3か国からがほとんどで(2023年※)、グリホサート残留率はアメリカ98%、カナダ100%、オーストラリア48 %(2024年※)です。すべて基準値以下のため流通していますが、残留濃度は増加傾向です。(※農水省データによる)
・2017年グリホサート残留基準値が大幅緩和されました。(プレハーベストの可能性あり) 小麦5ppm→30ppm、ライ麦0.2ppm→30ppm、そば0.2ppm→30ppm、てんさい0.2ppm→15ppm (@1kg)
・除草剤は他に、主成分がグルホシネートのものも多く出回っています。グルホシネートの方が危険性が高いと指摘している専門家もいます。
・2022年10月27日参議院厚生労働委員会川田龍平議員質疑による回答で、農水省は農薬に含まれる補助成分(添加剤)の規制方針を決定したとの答弁がありました。その条件については以下の通りです。
①発癌性があるとされる物質
②EUの使用禁止リストにある物質
③米国で使用不許可・含有量の制限がある物質
👉①~③全ての条件に合致する物質を「補助成分として使用できない」と回答しましたが、経過措置として5年の猶予を設けました。その設定については、在庫処分の期間としたのではないか? 国民の安全よりも、メーカー都合を重視したのではないか? と批判されています。
・食ページ「遺伝子組み換え作物」参照