2025年7月参議院選挙が行われますが、日本国憲法をどうするのか、ということも(おもてだって取り沙汰されないかもしれませんが)、争点の一つになると思います。

20年ほど前に自民党が憲法改正について発信し始めた頃、国民の多くは驚きました。憲法を改正する必要性を感じていた国民はほとんどいなかったからです。

戦後80年、日本は、日本国憲法を最高法規として、平和な国を築いてきました。国民主権、法の下の平等、個人の自由、基本的人権の尊重、それら国民の権利を明記した日本国憲法は、国民の生活の礎として、文化として深く根を下ろし、国民の心を支えてきました。

30年ほど前、戦前・戦中世代がまだ大勢いた頃、「こどもたちに憲法の精神を伝えたい」と、語りかける本が多数出版され、ベストセラー本も出ました。こんなにも憲法は愛されていたのか、とマスコミや多くの人々が驚きました。戦後からずっと、国民は、意識するしないにかかわらず、憲法をとても愛してきたのです。

憲法は、国民に読んでもらうことを視野に入れ、他の法律とは違い、平易に記述されています。まだ読まれたことのない方は、ぜひ一度お読みになっていただきたいと思います。
👇
日本国憲法 (衆議院HP)

日本国憲法には、政府による国民への弾圧を防止する制度が義務付けられていますが、国民にも『自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない』と記しています。
「三権分立」はそのための制度で、政府が、国民の権利をないがしろにする政治を行ったとき、国民は選挙や裁判で、それらを是正することができると保障しています。

しかし、今や、選挙にいく国民は二人に一人となり、憲法の精神に則り裁判に訴えても、肝心かなめの裁判所は審判することを避け、憲法の精神に沿わない判決を下すことがあり、三権分立が機能しているのか疑問に思うことがあります。

「個人の自由」
「基本的人権の尊重」
これらの条項は最も重要で、一瞬たりとも手放してはならない、私たちに保障された権利です。
これらを憲法に盛り込むまでに、先人の血がどれほど流されてきたか、文字の一つ一つに多くの人々の命が刻みこまれているのです。

憲法には以下のように記されています。

『日本国憲法 第97条【基本的人権の本質】
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。』(原文ママ)

※参考
総務省|国政選挙における投票率の推移    (総務省HP)