ネオニコチノイド系農薬による健康被害
浸透性農薬であるネオニコチノイド系殺虫剤は、それまでの有機リン系・カーバメート系殺虫剤よりもヒトへの毒性は低いとされ、現在、農薬としてだけではなく、家庭でも多用されています。
しかし、関東圏のある医師によると、山林や公園にネオニコチノイド系農薬を散布後(半日~数日後)胸痛・動悸・胸苦しさを訴えて数十人の患者(3歳~82歳まで)が来院したと報告しています。
また、自宅でのシロアリ駆除後や、国産果物やペットボトル入り茶を連続摂取後、具合が悪くなったとして、うつ・頭痛・全身倦怠・筋肉痛・筋脱力・筋痙縮・胸痛・動悸・腹痛・咳・手のふるえ・心電図異常・近時記憶障害(数分から数日前の視覚的な記憶の障害) 等の症状が報告されています。
農水省が全国の農作物の残留農薬データを公開していますが、茶、葉物野菜、果物、米などに残留頻度が高くなっており、殺虫成分は使用するほどに効果が弱くなっていくため、散布量も増え、残留濃度は年々濃くなる傾向にあります。国は残留基準値を緩めて、基準値内として流通させているのが現状です。
資料 : この項目は、「ネオニコチノイド 静かな化学物質汚染」平久美子著 (岩波書店 ブックレットNO.1102 2024.12.4 発行)を参考にさせていただきました。
以下の※は、この本からの抜粋です。
※「ネオニコフリー(ネオニコチノイド不使用)」表示をして販売している農作物において、ネオニコチノイドと同等に毒性のある浸透性農薬(スルホキサフロル・フロピラジフロン・トリフルメゾピリム・フルピリミン)を使用している場合がある。
※特別栽培農産物は生産された地域の慣行的な使用状況に比べて使用回数が50%以下の場合表示可能。浸透性農薬は散布回数が少なくて済むため、むしろ積極的に浸透性農薬を使用している場合がある。
参考 :
〈日本で使用可能なネオニコチノイド系農薬7種〉
ジノテフラン・イミダクロプリド・チアクロプリド・チアメトキサム・クロチアニジン・アセタミプリド・ニテンピラム
〈農薬の商品名〉
「ダントツ」「クルーザー」「アルバリン」「ハスラー」「バリアード」「シバント」「エクシード」「アクタラ」「トランスフォーム」「フルスウィング」「モスピラン」「アドマイヤー」「ベストガード」「スタークル」 他